2011年6月26日日曜日

生まれて56日。犬の運命。

人に愛される為に、この世に生まれた子犬たち。

生まれて2週間のあいだ(新生子期)は、まだ目もみえず耳も聴こえません。匂いだけでもごもごとお母さんに寄っていったり、兄弟にすり寄ったり。お母さんにそこかしこ舐められて排泄も覚えます。(つまり、犬はもともとうんちを食べるものなのです。)お母さんから舐められたりひっくり返されたりの刺激で子犬の脳は発達して行きます。3週目くらいから(移行期)は自分で排泄もできるようになり家族との繋がりをみせはじめます。そして、8週から12週までの間は犬生のなかでも最も好奇心旺盛で吸収の早い時期です。家族からボディランゲージを学び、コミュニケーションの方法を知る大切な時期(社会化期)。これから経験することになる全ての事をこの時期に体験させることで、人間社会で適合するか否かが決まってしまいます。人間社会でうまくやっていけない犬たちは「問題犬」として疎まれてしまうのです。野生では素穴をでるこのあとの時期になると好奇心は警戒心へと、恐怖心は攻撃行動へと姿を変えます。3ヶ月までの間に急いで、100の環境、100人の人、100の動物に出会わせてあげましょう。ワクチンの時期についての心配もありますが、社会化はこの2ヶ月間の時期を逃すことはできないのです。

では、8週以前に流通経路にのってしまった子犬たちの運命はどうなるのでしょう?

海外での販売規制をみてみると。

アメリカ:生後8週零以上及び離乳していない犬を商業目的の為に輸送されてはならない。
イギリス:生後8週零に達していない犬を販売してはならない。
ドイツ:生後8週零に達していない犬を母犬から引き離してはならない。
スウェーデン:生後8週零に達していない犬を母犬(及び飼養者)から引き離してはならい。
オーストラリア:生後8週零に達していない犬を販売してはならない。(ニューサウスウェールズ州)すべての動物は離乳と自立ができるようになる時期まで販売してはならない。犬は最小年齢8週零(ビクトリア州)

日本では生後40日くらいでペットショップに並ぶことになる子犬は、母犬から離されるのはもっと前ということになります。親兄弟から何も学ばずに人間と一緒に暮らすことになるとすれば、どうコミュニケーションをとってよいのか分からないのは当然です。

2007年度の都道府県の調査で、例えば柴犬は687匹が処分の運命に遭いました。その理由は飼い主が病気・死亡(108)、転居(66)、金銭的な問題(15)、鳴き声がうるさい(58)、人を噛む(118)、犬の病気怪我(127)、その他飼育不能(195)。


理由といえば終生面倒を見るべき飼い主の責任放棄と、犬の問題行動といわれるものです。でも噛む、無駄吠えなど犬の問題行動で言えば、8週零までにどれだけ社会化させているかにかかっているとすると、全て人間の都合で処分されているということです。

これからも、人間と一緒に暮らして行く以上は犬と犬を飼うひとにも義務教育が必要かもしれません。せめて、獣医さんに初めて子犬を連れて行ったときに、犬と飼い主さんの為の母子手帖でも配ってくれたら良いのに。。。

と思っていたら、あの伝説的ノートブック「MOLESKINE 」からドッグジャーナルが、でましたよ。これに、どれだけ多彩な人や犬に出会ったか、どれだけたくさんの環境の刺激に出会ったかなど記録しておくのも良いかもしれません。



nico 2006年12月のころ

2011年6月23日木曜日

犬法

成熟した犬環境にあるドイツには、
『犬法』(「犬の保護に関する規則」)があるのです。

*散歩をしなければならない。
*長時間の留守番をさせてはいけない。
*屋外で飼う場合には屋根と保護壁をつけ、床には断熱材。
*屋内で飼う場合には、窓のある部屋で、生活リズムのための採光と新鮮な空気を。
*檻の大きさは犬の体長の2倍以上。2m×2m以上。
*最低6㎡以上の檻スペース確保。
*子犬を生後8週令以下で母犬から離してはいけない。

法律はペットショップにも反映されるため、生体販売は必然的に無理なのです。

そして、年に1〜2万円の『犬税』。さらに、2頭目からは2〜4万円。貴族のステータスシンボルだった「犬を飼う事」への贅沢税のなごりです。

今年改訂整備されるという「動物の愛護及び管理に関する法律」に
もしこのドイツの犬法が採用されたら日本で犬を飼育することは
ほとんど不可能になりそうですね。
でも、すぐにでも出来る事があります。
「子犬を生後8週令以下で母犬から離してはいけない。」
という部分。

では、なぜ8週令なのか?
(次に続く。。)

nico 2006年6月のころ。


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2011年6月3日金曜日

ミニチュア・ブルテリアの病気

ミニチュアブルテリアは作出100年の歴史のなかで、
その体躯の特徴から特有の病気を抱えています。水晶体脱臼(PLL)については
完全に遺伝からの発症です。発症してしまうと両眼が失明してしまうPLLは
2009年の9月にDNA検査が可能になってからは、
選択的繁殖により駆逐することができるようになりました。






◆主な参考書籍及びサイトなど◆

"A KENNEL CLUB BOOK MINIATURE BULLTERRIER SPECIAL LIMITED EDITION"  by Muriel P Lee

" Miniature Bull TERRIER A Complete and Reliable Handbook" by BJ Andrews"

"Legacy of Dog"by Yamazaki& Kojima

"新犬種図鑑” by ブルース・フォーグル

"CHANGE ニュースレター vol.8”  by 太田 光明

http://www.animal-planet.jp/dogguide



◆ミニチュア・ブルテリア専門犬舎ブリーダーさんへのインタビュー◆

ENTRANCE GARDEN  入口 孝二氏





2011年6月2日木曜日

ミニチュア・ブルテリアのユニークな特性

テリアゆえの敏捷性とブルゆえの闘犬としての攻撃性を秘め、
多々難しい面もあるといわれるミニチュア・ブルテリア。
でも、ミニブルファンシャーには他の犬種とは違った
魅力があるようです。